2004/05/24
Mon.
「CCCDに対するスタンス(番外編)」

レコード会社が回避策として生み出した奇形児。CCCD。
その内の一つとしてSONYが採用しているレーベルゲートCD2、というのがあります。

この児を採用して売り出されている音楽のうち、どうしても聴きたいものがあるが、買う気にはなれない。
まさについ最近、私の中でそんな音楽がございました。

サイレン/ASIAN KUNG-FU GENERATION
ループ&ループ/ASIAN KUNG-FU GENERATION

ということで、試しにWEBで購入してみることにしました。
目的としては、如何にこの回避策がイケてないかを推し量るためです。


先ずは表明した内容に則って書いておきます。
アジカンのメンバー諸氏は、この両シングルを何故CCCDでもって発信したのか(させられたのか)、その故をつまびらかにしていただきたい。
後藤くん、あなたのCCCDに対する発信は途中で終わっていますよ。
続きをお願いしますよ。
音質は確かだと本人が確認できました?
この発行形態があるべき姿だと考えてます?
これで日本の音楽はOKでしょうか?
僕としては「あなた達のCCCDに対するスタンスの表明」があるかどうかということを問題にします。


さて。
そういった疑問をとりあえず飲み込みつつ、購入の手続きをとってみました。
購入ボタンを押すと、まずこの専用の再生ソフトを導入しろと言われます。
しょうがなくインストールしました。

マジクリップ2と読むらしい。正気か?

...ダサい。
既に「何歩譲ってやってるんだこの野郎」という気にさせてくれます。

1曲210円也。
1曲の値段としてはどうでしょう。
実際に物理メディアとして発行する場合に比べて、プレスや物流を除いた価格ということになりますかね。
高いと思うか安いと思うかは、皆さんにお任せします。

支払い方法としては以下が用意されています。

・クレジットカード
Smash (もろソネット)
Edy (株主がソニー関連企業)
WebMoney (恐らくソニー関係なし)
eLIO (実体はソニーファイナンス)

さらにこんな文章を発見。
「WebMoney、Edyでの購入は一曲ずつの購入のみとなります。」

こ、これは...
アルバムごと購入したいときは一曲ずつ落とせということですかね..
クレジットカード持ってなかったら本気でやる気なくすでしょうねえ..
それ以外の支払い方法については使い方を調べるのからして面倒なのでクレジットカードにて決済。

決済を行うと自動的にダウンロードが始まります。
うーむ。聴きたい曲は一応、自分のPC上で聴けている。
歌詞が見れるのがまあ救いといえば救いか。
しかしこの不毛感といったら..

もちろんiPodへは転送不可能ですので、お出かけするときは聴けません。
これらを聴きたいときは、PCの電源を入れ、格好悪いソフトを立ち上げる必要があります。
結局CDをかけるよりも面倒くさい手順を踏まないといけません。
この苦痛といったらないですね。

「OpenMG対応ソフトウェア同士で音楽を転送してお楽しみいただけます」

OpenMGソフトウェアって何やねん!!
度重なるイラダチを抑えつつMGとは何かを探してみる。どこにも書いていない。
何の規格だかサッパリわからん。
一応、その一味の一覧は載っている。


あのね、WEB上で聴きたい音楽を探してカートに入れて専用ソフトインストールして決済してダウンロードする、というこの一連の流れは、普通にPCに詳しい人でないと無理ですよ。ムリ。
うちのおとんとおかんはムリ。
おじんとおばんはもっとムリ。できたら逆に怖い。
クレジットカード持ってる小中学生いないだろ。
高校生はひょっとしたら持ってるやついるかもしれんが、少数派だろ。大学生でもせいぜい半々くらいか?


というわけで結論。
ふざけんな。
もう二度と使いません。



2004/05/16
Sun.
「CCCDに対するスタンス(その4)」

これまで(その1〜その3)はCCCDに対する世の中の状況を、僕の視点から見えた範囲で書いてみました。
そしたら次は、「んじゃあおまえ自身はどうなんだ」と。
当然そうなりますよね。
最後に、僕の、CCCDに対するスタンスを、書いておきたいと思います。

基本的にCCCDに対しては反対を表明いたします。
理由はこれまでに述べてきたとおり、CCCDというメディアは著作権問題に対する根本的な問題解決に至っていないばかりか、音質は良くなることはありえずむしろ劣化し、専用の再生機器がなく、更にCDプレーヤーへの負担が増加してしまうためです。
更に、地道に発展してきた、「音楽がより身近になっていく生活」に対してマイナスとなる要素しか(現在のところ)持っていません。
CCCDになってアーティストが護られるようになった、とは到底思えません。
また、CCCDを世に送り出した人達は、音楽に対する考え方が本末転倒になっているとしか思えません。


まず、どういう経緯でそのアーティストはCCCDとしてアルバムを出さざるを得なかったかを考えることにします。なぜCD-EXTRAとしてでも回避できなかったか、等。
(アーティスト側の、「良質の音楽を届ける」という姿勢の問題)

アーティストが、CCCDに対する考え方を公表している場合、その意見がCCCDに対して賛成であろうと反対であろうと、そのアーティストに対しては敬意を表します。
(アーティストの、著作権に対する考え方の問題)

音質の劣化はない、あるいは音質に対して自信を持っている、とどこかしらでそのアーティストが公表しているならば僕はそれを信じます。
そしてCCCDであれ、購入することにします。
あるいは、本人としてはCCCDで出したくはなかったが、政治的理由でCCCDとしてださざるを得なかった場合。
この場合、自分のCDプレーヤーの劣化については、僕が面倒をみます。
更に、iPodでは聴けないかもしれない(僕の音楽生活に支障を来すかもしれない)というリスクも僕が背負って購入したということを、アーティストは理解してください。
(僕の、音楽という文化を信頼したいという姿勢)

もし僕が自分で聴いてみて、僕ですら「音が悪いなあ」と思ってしまったら、もう二度とそのアーティストのアルバムは買いません。
そのアーティストは、僕にアルバムを買ってもらう資格も信用もないという判断です。
(アーティストの、音楽に対する取り組み方の問題)


CCCDで音楽を頒布することになるアーティストの皆さん、
貴方がCCCDを経由して、音楽を発信し、その結果世界に何を望んでいるのか、是非我々に聞かせてください。

もし仮に、貴方の作った音楽に僕が感動したとして、友人のためにそれをコピーして渡した(貸した)とします。
この僕の行為は違法に相当するのでしょう。
(僕がコピーを持っていて、原盤を貸したらそれで違法ですらなくなりますが。)
しかし、友人がその音楽を気に入ってくれて、その後、貴方の次作を彼が自分の金銭でもって購入したとしたらどうでしょう。

そんな風にして、貴方の音楽が世に広まっていったとしたら、どうでしょう?
憤懣やるかたないと思いますか?

少なくとも僕はガッツポーズをするでしょう。
そうすることがこのサイトの(つまり僕の)存在理由の一つでもありますし、違法であれ、僕のため、音楽のため、自分の好きなアーティストのためになっていくと信じています。


最後に、本論の冒頭に書いた「対価」というコトバについて。
冒頭では「対価」という言葉を、CDの売値という意味で使用しました。
われわれリスナーが、アーティストのアルバムを購入する場合、お店では、売値に相当する金額を支払います。
しかし本来、世の中の仕組み上、この「売値」=「対価」ではないのです。
アーティストは、作品を売って得られた印税だけが、「報酬としての対価」だと、思ってはいけないのです。
アーティストがアルバムを世に出して得られる「対価」には、報酬だけでなく、貴方(と貴方の音楽)に対するわれわれの信頼や信用、それから音楽という世界、さらには世の中に対する人と人との繋がりに対して投じられた石(意思)の波紋を含んでいたりもするわけです。
それらをひっくるめてこそ、「対価」でしょう。

CCCDが存在するということはその大事な「対価」を奪うことに他ならない、と思う次第です。

さて..
これで、僕はやっと、ボールを投げることができました。
長々と読んでいただいてありがとうございました。


■参考にさせていただいたサイト一覧
C堂 CCCD特集
ミュージックマシーン 深沼元昭氏インタビュー
ミュージックマシーン 佐藤剛氏インタビュー
音楽配信メモ 2004/04/30分の過去ログ
FIVE-D 佐藤剛プロデューサーからのメッセージ




2004/05/09
Sun.
「nikefootball.com」

CMを褒めるのはいつ振りでしょうか。
前はあれですよ。
町田康が出演してた、あれですよ。何だっけな。缶コーヒーだったような。
「黒で何とかかんとかかい?」ってやつ。
あー
何だっけなあ。

で、久々に微笑ましいというか素晴らしいというか、作った方も、見せられる方も円満なCM。
ちょっとどっちのスタジアムか判然としませんが、ブラジル対ポルトガルの親善試合のようなシチュエーション。
これから入場って時にフィーゴが審判からボールを借りてロナウドの股間を抜いて彼をからかうわけです。
そしたらフィールドではなくてスタジアムの通路で試合が始まってしまうという、あのCMです。
ご覧になりました?

カントナも出てますし、トッティも出てます。
最後はロナウジーニョが何と審判にタックル受けて怒られる、という。
もう何というか作った人がサッカー大好きなのが伝わってきます。
企業として、こういう係わり方をしてくれる(視聴者に対して何とかしてサッカーの楽しさを伝えようと努力してくれる)なんて素晴らしいあり方だと思います。

最後のロベルトカルロスとロナウドの怒られた子供のような顔(芝居)が最高ですよね(ロナウドは鼻血付き)。

うーん。
サッカー最高。


こちらからどうぞ → nikefootball.com